株式会社ゼニアス
妥協せず振り切ったデザインを忠実に現実に落とし込む

高級マンションのリノベーションを手掛け、前期売上高 608 億円、営業利益にして 72 億 3000 万円と業界トップをひた走る株式会社ゼニアス様。虎ノ門ビルズ森タワーにご移転された本社オフィスの内装をコマニーが担当いたしました。
今回は、同社代表の坂口様、執行役員の佐々木様、移転プロジェクトに携わられた蔭山様、矢野様にお話しを伺いました。(以下、敬称略)
「最後は人で決めてください」の言葉が印象に残ったコンペ
――まずは、今回のご移転の経緯をお聞かせください。

坂口:当社は 2007 年の創業時より恵比寿にオフィスを構えてきました。ただ、事業拡大に伴い、高級区分、なかでも都心部の物件の取り扱いが増えてきたため、本社オフィスの移転を検討しはじめました。
そこで候補となったのが虎ノ門エリアです。エリアビルとしてのブランド力のある虎ノ門ビルズへの移転を考えたのですが、物件の空き状況などもあり、すんなりとはいかず。人員も増えていましたから、「これは一旦増床するしかないか」と思っていた矢先、空きが出たと聞き、側移転を決めました。
――コンペを経てコマニーにご依頼いただきました。当社に決められるまで、どういった経緯があったのでしょうか。
坂口:コンペは、仲介業者の方からお声がけいただいたことをきっかけに実施することになりました。実は当初、以前からお付き合いのあるデザイナーの方にお願いしようかとも考えており、そのため正直なところ、コンペ自体にはそこまで大きな期待をしていなかったのが本音です。
佐々木:コンペ前に各社のご担当者様と打合せがあり、その場がコマニーの皆様との初対面でした。そのときに社長は同席しておらず、私たち 3 人でした。
――第一印象はいかがでしたか?

佐々木:第一印象は、平均年齢が圧倒的にお若いなと。当社も若いほうですので、年齢的な親和性があると感じました。
蔭山:これは第一印象というより、ずっと通しての印象ですが、最初からレスポンスが早い会社様だなという印象がありました。
矢野:私が覚えているのは、オフィスの下見にいらしたときの帰り際に、しきりにコンペでのプレゼン順を山口さんが気にされていたことです。 2 度尋ねられましたよね。

コマニー 山口:このコンペのお話は仲介会社様からいただいたのですが、弊社にとってはかなりチャレンジングだったんです。コンペに参加する競合他社の名前からして、うちが 1 番格下だなと思ったことを覚えています。そのため、印象付けるためにも 1 番手にしていただきたかったんです。挑戦できる機会をいただけたと捉え、思い切ってやろうと思っていました。
坂口:プレゼンは最後を取りたがる会社が多いのに、コマニーさんだけ 1 番手がいいとおっしゃっていたと聞いたことを私も覚えています。
――設計を担当した桒原さんは、コンペにどう挑んだのでしょうか。

コマニー 桒原:まとまったご予算があることは存じ上げていましたが、その予算に縛られることなく、さらに振り切りました。というのも、御社のホームページを拝見し、御社がいうところの「クワイエット・ラグジュアリー」とは何なのかを調べていくうちに、おそらく社長は気に入られたものしかご購入されない方だろうなと思ったんです。そのため、予算内に納めることにこだわるよりも、御社らしいテイストに独自性を加えたご提案をしようと。想いをぶつけた設計をご提案しました。
坂口:そこが良かったんですね。どうしても予算内に納めることに思考が働いてしまい、妥協した案を出す会社さんが多いんですよ。でも、せっかくオフィスを作るわけですから、妥協したくないじゃないですか。
1 番手に 3 人でやってきて、プレゼン資料を手に取った瞬間、「うわ、かっこいい・・・・・!」と思いました。特にエントランスのパースは印象的で、率直に言って非常に完成度が高かったですね。いい意味で期待を裏切られました。内心ではかなり驚いていたのですが、表情には出さず、できるだけクールを装っていました(笑)。
蔭山:私も社長と同じで、思わず「かっこいい」の「か」が口から出てしまったのですが、顔に出していいのかがわからず、冷静さを保ちました。
――そうだったのですね。最終的な決め手は何だったのでしょうか。

坂口: 1 番デザインが良かったことももちろんなのですが、決めては山口さんに言われた「人で決めてください」でした。これ、ご本人は覚えていらっしゃらないそうなのですが(笑)。
山口:そうなんです(笑)。
佐々木:私たち含め、全員の印象に残っている一言でした。
坂口:「 1 年間、伴走することになる相手が嫌な人だと、つらいじゃないですか。」とおっしゃっていて、「そうだな」と思ったんですよ。はきはき明るい雰囲気も好印象でしたし、ここはコマニーさんにお願いしようと。お願いするつもりだったデザイナーの手前、悩みましたけどね。隙があれば資料を見て、「いや、やっぱりかっこいいよな」と思い、決断を下しました。
打ち合わせは週次で。素材選びにこだわり、パース通りの内装作りを。
――コンペに受かり、プロジェクトが正式にスタート。どのような計画で進められたプロジェクトだったのでしょうか。

コマニー 杉浦: 8 月のお盆明けにコンペがあり、プロジェクトが始まったのが 9 月です。まずはご提案内容を振り返り、変更のご希望点など合意を取った上で、森ビルさんとの調整を行い、工事へという流れです。着工が 2 月でしたね。
コマニー 山口:当初、 3 月のご入居をご希望だったんですよね。
コマニー 杉浦:どうしようと思っていたのが、スケジュールと予算でした(笑)。
坂口:スケジュールに関しては、あえて相当早めの日取りをお伝えしていたので、「不可能だろうな」と思っていましたよ。譲れないのが、 6 月 2 日にお披露目イベントをすることだったんです。 6 ・ 2 で「唯一無二の日」で、無二の商品を扱っている当社にとってぴったりだなと。さらにこの日は大安で、かつ寅の日だったんですよ。
――それはずらせないですね。ご予算について、エピソードはありますか?
坂口:コンペに選ばれた瞬間に話がありましたよね。
コマニー 杉浦:嘘をつくのは絶対にダメですから、正直にお伝えしようと。つくろったところでダメですからね。
坂口:プレゼン時の想定からすると、正直かなり上がったなとは思いました。提案内容を見た段階で、このクオリティを実現するにはこの金額では無理だろうと感じていました。こちらとしても、完成度を一番大事にしていましたし、当初想定を超えることも十分にあり得ると思っていました。結果として、コンペ時より金額が上がるのは妥当だと思いましたし、何より一切妥協のない提案だったことが大きかったですね。
佐々木:終えたあとのお疲れ様会で聞いた話では、皆さんの上司の方が「好きにやっていいよ」「思い切ってやっていい」とおっしゃっていたそうですね。素晴らしい上司の方がいるから、こうした仕事ができたんだなと思いました。
――内装工事にあたり、大変だったエピソードはありますか?
コマニー 桒原:岩壁ですよね。
コマニー 杉浦:岩は大変でしたね。エントランスの壁面が岩なのですが、その素材選びに難航しました。

コマニー 桒原:森ビルさん側の規制があるので、そこをクリアしつつ、良い質感の素材を選ぶ必要があり、大量のサンプルを持ち込みました。
コマニー 杉浦:サンプルといっても、 1 つが非常に大きいんですよ。

坂口:私が「これは嫌だ」とか言ってね(笑)。エントランスの岩壁は、パースを見たときに「かっこいい!」と思った最重要要素でしたから、譲れなかったんです。
――その他、印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。

矢野:以前までは電話だったエントランスの受付を、移転を機にタブレットに切り替えました。その選定のご相談にも乗っていただき、タブレット用の土台も造作していただけたことが助かりました。おかげで、雰囲気に合う受付になったと思っています。


蔭山:レスポンスの速さは先ほどお話しした通りですが、いつ連絡しても仕事をしていらっしゃる印象があります。前のオフィスの原状回復についてのご相談など、本来であればコマニーさんにお伺いするべきものではない質問にもご対応いただき、本当に助けられました。
お客様、社員、求職者からの評判上々。広告宣伝効果のあるオフィスに。
――オフィス完成後、反響はいかがですか?
坂口:時間もコストも惜しまずつくったオフィスということで注目度が高く、お披露目パーティーには 1 日で 700 名を超えるお客様にお越しいただきました。シャンパン 200 本、シェフによるフィンガーフード、 750 個のお土産と入念に準備をし、非常に盛況でした。
蔭山:口をぽかんと開けて驚かれる方が多いです。モデルルームを兼ねて作ったオフィスだと勘違いされる方も多いですね。確かにリノベーションの雰囲気を見ていただける場ではあるので、社長がこだわって作った作品の 1 つとしてオフィスをご紹介させていただいています。
矢野:社員も感動していました。何より、やはりエレベーターからエントランスに向かってきたときに視界に入る最初の印象ですよね。サイネージの横で写真を撮り、LINEなどのアカウントのアイコン画像に使っている社員もいるんですよ。
コマニー 山口:それは嬉しいです・・・・・!
坂口:今回の移転を機にDX化を進めたため、紙が減ったという変化もあります。

佐々木:以前までは固定席だったのですが、グループアドレス制にし、さらにグループごとの座席の位置を定期的に席替えするようにしました。これは杉浦さんからいただいたアドバイスが元になっています。
コマニー 杉浦:いろいろな会社様の施策を見ていて、参考になるものをお伝えしました。良い形で運用されているのは素晴らしいですね。
蔭山:同じく、個人ロッカーも定期的に配置換えをしています。荷物が増えると移動させるのが億劫になるからか、すっきりさが保たれやすくなったと感じています。

――コロナ以後は特に、オフィスの捉え方が多様化しました。あらためて、御社がオフィスにこれだけ時間や費用を投資される理由をお聞かせください。
坂口:オフィスの役割は 3 つです。 1 つは、広告宣伝ですね。「虎ノ門ヒルズに本社がある」ということ自体にインパクトがあり、話題性があります。それこそ、高速道路から見えるビルの壁面に広告を出すよりも広告宣伝効果が高いでしょう。特にこの業界は、話題作りが結構重要なものですから。そのため、うちではその手の広告宣伝は一切行わず、オフィスにオールベットしています。
2 つ目は採用ですね。実際、新オフィスの評判が良く、良い効果があると感じています。
佐々木:就職活動中の方からの反響が想像以上に良く、「ここで働いてみたい」という声をよく耳にします。
坂口: 3 つ目は、社員の満足度ですね。「ゼニアス」という社名は、頂上という意味の「Zenith(ゼニス)」、才能という意味の「Genius(ジーニアス)」、近くにという意味の「Near(ニア)」を由来としていまして、業界の頂上を目指すことに重きを置いているんですね。その目標は 18 期目に達成したため、次は日本一平均給与の高い会社を目指しています。目指すは平均年収 3000 万円です。この大きな目標を達成するには、新しい社員を採用するだけではなく、今働いてくれている社員たちが長くうちで活躍してくれる会社にする必要があります。そのためにもオフィスにフルベットし、働き心地の良い会社にしたいと考えています。

――今回のプロジェクトを終えてみてのご感想をお聞かせください。今後の展望についてもお聞かせいただけると嬉しいです。
矢野:週次での打合せを重ねていくなかで変化していく内容もありましたが、都度パースも変更していただいたことで、非常にわかりやすかったです。パースはあくまでも理想であり、完成したものとは多少なりとも差が出るものだと思っていましたが、 99 %思っていたものが具現化されていて驚きました。
ご提案いただいて変更したところも、圧倒的に変えたもののほうが良かったと思えました。市場調査などをしてご提案してくださったおかげだと思っています。もしまた次回があれば、ぜひともコマニーさんとご一緒したいと思えるくらい、楽しくプロジェクトを走ることができました。ありがとうございました!
蔭山:私も同意見です。プレゼン時にパースを見て感動したものが、本当にその通りに作られていく様子を見られました。プロの仕事を初めて目の当たりにして、一緒に良いお仕事をさせていただいたなと思っています。
佐々木:予算もスケジュールも、かなりの無理を言ったかと思いますが、その無理難題に対し、非常に一生懸命応えていただいてできたのがこのオフィスだと思っています。 1 番感動したデザインだったのはもちろん、スケジュール内で進めること、デザインに妥協しないことの両方を叶えてくださったのは、コマニーさんだからだったのではないかなと。本当に御社で良かったなと思っています。
坂口:とにかく、このチームが最高だと思います。最初から最後まで、本当に人が素晴らしかったなと。人に紹介したいレベルの満足度の高さです。 10 年後には次なるオフィス移転計画が頭の中にありますが、皆さんには「お願いされると思うなよ」とお伝えしておきます(笑)。ぜひ、素晴らしい案を持ってきていただきたいです。
コマニー 杉浦:さらに成長している御社に対し、恥ずかしくないステージまで我々も成長を目指します。坂口社長がおっしゃっていただいたように、本当に良いチームでした。自分のキャリアで、ずっと記憶に残るプロジェクトになると思っています。ありがとうございました。
コマニー 山口:毎週本当に楽しかったです。社長も毎週ご参加してくださり、親身に向き合っていただいたことに感謝しています。社長が入ってきてピリッと引き締まる空気が個人的に好きでした。語り切れないほどのドラマがありましたが、毎回笑って打ち合わせを終えられ、完走できたのは素晴らしいことだったと思います。本当にありがとうございました。
コマニー 桒原:設計したデザインに対し、ここまで感謝していただけることはあまり経験がなかったため、ご感想をいただけるのが嬉しかったです。日々、仕事をするなかでゼニアス様の事例をご紹介する機会が増えました。設計者として虎ノ門ヒルズの内装をしたという実績を積めたことも含め、非常に良い経験でした。ありがとうございました。

| クライアント名 | 株式会社ゼニアス |
| 所在地 | 東京都 港区 虎ノ門 1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー 24階 |
| WEBサイト | https://www.zegnas.jp/ |
| 業種 | 不動産 |
| プロジェクト | オフィス移転 |
| 規模 | 220 坪 |
| 竣工 | 2025 年 6 月 |